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*強姦神話*



レイプは性欲が原因ではありません。
力の誇示・支配欲です

 

 世間に広く知れ渡っているレイプの認識には加害者を弁護して被害者に責任があるというような責任を転嫁している強姦神話が数多くあります。被害者が長年ずっと声をあげることができなかったためにこうした神話がまかり通っていました。今でもメディア、たとえそれが性犯罪事件を描いたものであっても、強姦神話を助長するような描き方をしています。警察官や弁護士、裁判官、文部省までこの神話を信奉しています。そのために被害者が中々声をあげることができなかったり、セカンドレイプでますます傷つくことになってしまいます。
1.(神話)性的欲求不満が強姦の原因である。
 (実態)性的欲求不満は強姦の数多い原因の一つでしかありません。
 レイプの動機は性的欲求ではなく力の誇示・支配です。性欲があるからといって相手を無視した、暴力的な性行動にはでないはずです。
 また、、ほとんどの加害者にはレイプという手段に及ばなくても性行為のできる相手がいます。
「レイプをする奴は、相手を支配したいんだよ。過去に、女からプライドをめちゃめちゃにされた奴なんだ。だからレイプすることで、プライドと男らしさを取り戻そうとする。」
「病院でも皆が言っていた、強姦は社会から認められているんだって。テレビや映画でやっているからだよ。」
                                 <ベイネケ「レイプ 男からの発言」>
「レイプがこんな風に女性の人格や人権、アイデンティティを打ち砕くものとは思わなかった」・・・ではどう思っていたかというと「ちょっと荒っぽいセックス」であり、それはアダルトビデオやポルノグラフィで見慣れたものだったのです。AVやポルノばかりでない、性教育で語られる男の性のイメージだって問題ですよね。男の性欲は我慢できないとか、精子や精液が溜まりつづけるから出さなきゃ仕方ないとか、だから女は気をつけろ、とか強姦もやむなしとか、いうように人格と性行動を切り離すことを当然とするような言説を、意識的であるかどうかわかりませんが結果的には繰り返し述べてきたのではないでしょうか。」
「性欲が強い弱いというのはとても個性的なものであって、男は女は、と決まりきったものではない。しかも性欲そのものはコントロールできないにせよ性行動は人間の意志ですることであって十分コントロール可能だということです。第一精子や精液の量と性的欲求とはまず関係の無いことであって射精しなければどこかにどんどん溜まりつづけるものではないのです。それを買春とか強姦の合理化(?)や正当性(?)に結び付けるなど男性社会における手前勝手な屁理屈。」
                                       <村瀬幸浩「性愛対話」>
2.(神話)レイプは性的欲求を爆発させた男性によって衝動的に行われる
(実態)通報された強姦事件3/4は計画的なものである。
 ほとんどのレイプは計画的犯行です。実際に通報された強姦事件のうち4分の3が計画的犯行です。また、もともとレイプをする気の無かった人が相手を見て衝動的にレイプしたと主張するのは全体の1割り前後しかありません。
3.(神話)強姦は加害者が被害者に悩殺されたせいで起こる。
  (実態)強姦は無防備な被害者を相手に行われる。
 多くのレイプは部分的、あるいは全体にわたって計画的に行われています。 挑発的な服装や言動が原因として起こるなら、レイプの多くが突発的に起きているはずです。この「迷信」の問題は、責任を加害者でなく被害者に
責任転嫁しているところにあります。被害者がどんな服装をしていたとしても、また、どんな行動を取っていたとしても、レイプが正当化されることはありません。 被害者にはなんの責任もありません。
 
報告されたレイプ犯罪のうち、被害者が「挑発」した、と加害者が主張しているのは4%ほどにしかすぎません。 そして、その「挑発」のほとんどが、特に何かをしたわけではなく、単にセクシーな服装をしていたというだけのことなのです。
 警察庁が性犯罪加害者544人が「何故その人か」と調査したところ被害者が
   1位:警察に届け出ないと思ったから。  45%
   2位:好みのタイプ              10%
   3位:挑発的服装               5%
だったからだと答えています。
4.(神話)強姦において被害者がおとなしくなるのは残虐行為のせいである。
  (実態)大部分の場合、強姦の被害者がおとなしくなるのは恐怖のせいである。
 実際には、強姦された女性は身のすくむ思いで、声も立てられず、ほとんど強姦者のいいなりになるケースが多いのです。にもかかわらず、強姦神話のために、女性が反抗し大声をあげなかったから、合意の上での「SEX」だったと、加害者が言い逃れるケースがざらにあるのです。被害者がNOと言わなかったから、抵抗を諦めたからといって被害者が合意したわけではありません。
5.(神話)強姦するのは見知らぬ男である。
  (実態)多くの場合、強姦する男と被害者は知り合いである。
 報告されたレイプの約半数が被害者は加害者と顔見知り以上の関係にあります。 被害者の1〜2割は親しい友人や家族の一員にレイプされたと報告しています。 
 夫婦間や恋人同士においてもレイプは起こります。一方が望まない性行為はレイプなのです。
 さらに、身近な人にレイプされた人は、知らない人にレイプされた人に比べ報告しない傾向が強いので、報告されない例も含めると知り合いによるレイプが全レイプの大部分を占めるとも予測されます。
 *加害者との関係*
’83 ’84 ’85 ’86 ’87 ’88 ’89 ’90 ’91 ’92 合計
顔見知り 39
(47)
47
(50)
41
(55)
31
(45)
36
(40)
55
(54)
105
(71)
59
(71)
46
(58)
70
(77)
529
(58)
見知らぬ男 34
(41)
25
(27)
20
(27)
13
(19)
26
(30)
23
(23)
23
(15)
13
(16)
29
(37)
11
(12)
217
(24)
不明 10
(12)
21
(23)
14
(18)
25
(36)
26
(30)
23
(23)
21
(14)
11
(13)

(5)
10
(11)
165
(18)

・東京強姦救援センター電話相談の統計
・単位は件。括弧内は%

*顔見知りの内訳*

単なる顔見知り 155
上司・同僚・教師 130
友人 67
親・兄弟 34
夫・恋人 24
親戚・その男 55
その他 64
合計 529

・単位:件

6.(神話)強姦は、性急に、暗黙のうちになされる事件である。
  (実態)強姦事件では、かなりの会話が交わされ、犯行が数時間に及ぶことが少なくない。
 会話を交わすことによって加害者は相手に対する支配を高めるのです。
 この実態からレイプの加害者は理性を失ったからではなく犯行に及んでいることがわかります。
7.(神話)強姦は暗いこみちで発生する。戸外での犯罪である。
  (実態)強姦の多くは屋内で、しかもたいていの場合は被害者は加害者の家で発生する。
 レイプの半数は普通の家の中でおきています。3分の1が被害者の家で起こっています。だからといって夜遅くに被害に遭わないという訳ではありませんが、どこで被害に遭おうと被害者には責任はありません。

*被害を受けた場所*
’83 ’84 ’85 ’86 ’87 ’88 ’89 ’90 ’91 ’92 合計
屋内 48
(58)
53
(57)
36
(48)
29
(42)
48
(55)
53
(52)
110
(74)
52
(63)
35
(44)
63
(69)
527
(58)
屋外 10
(12)

(9)

(11)
11
(16)

(8)
27
(27)
15
(10)
13
(16)
21
(27)
13
(14)
134
(15)
不明 25
(30)
32
(34)
31
(41)
29
(42)
33
(37)
21
(21)
24
(16)
17
(21)
23
(29)
15
(17)
250
(27)

・東京強姦救援センター電話相談の統計
・単位は件。括弧内は%

*被害場所の内訳*

屋内 加害者の家
被害者の家
ホテル
学校・職場
その他
99
178
100
52
98
527
屋外 路上・公園
乗り物
その他
77
44
13
134

・東京強姦救援センター電話相談の統計
・単位は件。括弧内は%

8.(神話)レイプ被害に遭うのは若くて美しい女性だけである。
  (実態)レイプ被害に遭うのはは年齢や外見とは関係ない
 性暴力の被害者は暴力の被害者です。レイプ犯の多くは被害者を外見で選ぶわけではありません。年齢や社会的地位に関わらず誰でもレイプの被害にあう可能性があります。
 通報された事件の被害者の年齢は6ヵ月から93歳に及びます。また、男性や男の子も被害にあっています。
9.(神話)本当に嫌ならレイプを止めることができるはずだ
 顔見知りでない場合のほとんどの被害者は、抵抗したら殺す、あるいは怪我をさせる、というように脅され、仕方なく従ったにすぎません。 また、多くのケースでは加害者による暴力が使われ、暴力的でないケースは被害者が子供の場合など、暴力を使わなくても脅しが歴然としている場合がほとんどです。
 また、言葉による脅しや暴力により、多くの被害者は恐怖から身動きがとれなくなるのです。 抵抗ができなくても本人の責任ではありません。
10.(神話)NOと言わない限り性交しても構わない
   (実態)相手が心のおくからYESと言わない限り合意ではない
 恐怖の中でNOと言うのは並大抵のことではありません。加害者の中にはしてる途中で濡れてきたから合意だと思ったという人までいます。しかし、それは大きな間違いです。恐怖にあって言えないことを考えなくてはいけません。被害者の方もNOと言わなかったからと言って自分を責める必要はまったくありません。
 暴力や脅迫がなくても 男性と二人っきりになったり男性が迫ってきたら女性は恐怖を覚えるものです。その中でNOと言えるのはよほどじゃなくては無理でしう。男性は自分の存在が、たとえ何でもなくても、恐怖を与えるものだと自覚しなくてはなりません。あなたが要求して相手からの合意を得たからといっても相手はあなたに恐怖心を抱いてYESを言ったかもしれないのです。
11.(神話)レイプは大都市でしか起こらない。
   (実態)レイプ犯罪はどこでも起きている。
  レイプの件数は人口の多い大都市に多いですが、地方でもレイプは起きています。 しかし、社会共同体が被害者に対して冷たい地方部では、被害を受けても社会的な報復や孤立・他人の噂を恐れて報告しない人が多いと思われます。
12.(神話)レイプの加害者は性生活に不満を持っている異常な男だけだ。
   (実態)加害者の多くには他に性的パートナーがいる。
 レイプ犯の加害者は通常普通の生活を送っています。レイプ犯に心理テストを行ってもほとんどが普通と変わらず精神異常も見受けられませんでした。
 その上、加害者の多くが一見通常の社会生活を行っています。性的欲求が満たされないための犯罪ではないのです。
13.(神話)女性が強姦されたいという欲望を胸に秘めている。
   (実態)女性が強姦を空想することはあるが、だからといって女性が強姦を望んでいるということにはならない。
 アナイス・ニンという女性はは「強姦されることは、たぶん女性における欲求、密やかなエロチックな欲求であろう」と日記に書いています。このように考えるようになるのはメディアの影響が大きいでしょう。現在たいていの人はポルノでSEXのイメージを形成しています。その中でのSEXは男が女性を押し倒し女性が始めは嫌がるが、次第に感じていくものです。女性が読む本や漫画でもそのような表現が多く見られます。女性でも勘違いしている人や強姦に対する感覚が麻痺している人もいることでしょう。知人間レイプが認められなかったりする現状を見ても。
 しかし、女性が普通に思い描く強姦のイメージは自分がしたい相手としたい仕方で、そして、自分の思い通りの筋書きで進む「強姦」であって、現実の強姦とは異なっているのです。
 ですから強姦して良いということはどこにもないのです。
14.(神話)レイプが起こるのは夏が一番多い
   (実態)レイプの件数と季節は関係ない
 夏になるとTVでは性犯罪の特集が組まれたりします。きっと夏になると肌の露出も高く、夜遅い時間まで外にいて、夏休みで開放的になって男女間のトラブルが起こる・・・とでも思っているのでしょうか。
 前述までで分かるようにそれは強姦神話であることがわかります。
15.(神話)日本は性犯罪が少ない
   (実態)日本は性犯罪泣き寝入り件数が年間15万人(推定)と言われているし、被害者の対応が遅れているので実数はわからない。。
 日本は被害者に冷たく今の社会は被害者に冷たいため、ほとんどの被害者はレイプを警察に通報しません。 逮捕されないのをよいことに犯行を繰り返す加害者もいます。警察の対応で門前払い・セカンドレイプがおきていますし、裁判でも被害者に対する偏見や攻撃といったセカンドレイプが起きています。
 また、恋人間レイプやドメスティック・バイオレンスがまだあまり世間で認知されていないので、それらについてもレイプだと声をあげることがありません。嫌だけどSEXした、という状態が罷り通っているのも認識の低さです。

 



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